イチロー選手がとうとう大リーグ最多安打記録を塗り替えました。アメリカ人の中には、昔とは試合数が違う等認めたくない人もいるようですが、そんなものは超越してすごい記録だと思います。
　イチロー選手のレベルまでいくと収入も大変な額になると思いますが、海外で活躍する日本人の税金はどうなっているのでしょうか？
　通常、職業野球選手の報酬については一回に支払われる金額の100万円までに10％、それ以上の額には20％の源泉税が差し引かれて本人に支給されます。これは他のスポーツ選手や芸能人等と一緒で、その他に契約金などがある場合にも同様の方法になります。その後それぞれ確定申告をして税金を精算するのです。
　これは日本在住者の場合ですが、イチロー選手の場合は日本に一年以上住んでいないので税務上｢非居住者」という区分になり扱いが変わってきます。

　非居住者になると原則日本では税金を課税せず、住んでいる国に税金を支払うことになりますが、日本国内で仕事をしたり、日本にある不動産を売却して収入があった場合には、支払をする者が10〜20％の税金を源泉徴収して国に納めることになっています。
　もともと源泉徴収という納税方法は国が税金の取りっぱぐれをなくすために作った制度で、この場合の納税義務者は支払いをする者になるので、外国人と取引をする際には気を付けてください。
　なお、この非居住者に対する源泉税の対象となる取引は、法律で限定列挙されており、かつ取引相手の居住国によっては租税条約が交わされていたりして取り扱いが変わってくる場合が多いので、詳しくは個別にお問い合わせください。

　7月に行った算定基礎届けにより今月徴収分の社会保険料が変更になる人がいると思いますが、今年はさらに11月徴収分から厚生年金の料率が変更になります。具体的には13.58%→13.934%になり本人負担分は半分の6.967%になります。この変更で本人負担分に1円未満の端数が出てしまうため50銭未満は切り捨て、50銭以上は切り上げするということになっています。給料計算時には気をつけてください。

　先日ヤマト運輸が日本郵政公社を提訴しました。郵政民営化とはいえ、国の後ろ盾で税金を納めず、信書事業を独占している郵政公社が自由競争市場に参入してくるのは民業圧迫以外の何物でもありません。法廷で納得ゆくまで争ってほしいものです。