◇中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率の引き上げの適用開始
今年度の令和5年4月1日から、現在は大企業のみに適用されていた月60時間を超える時間外労働に対し割増賃金率を50%以上としなければならない義務の中小企業の猶予措置が終了し、中小企業にも適用されます。
具体的には1ヵ月の起算日からの時間外労働時間数が累計して60時間以下までは25%以上の率で計算した割増賃金、60時間を超えた時点から50%以上の率で計算した割増賃金の支払いが必要となります。
割増率の変更に伴い、今後は労務管理をより適切に行うことが重要となってきます。ご不明な点ご相談等ございましたら当事務所までご連絡ください。
◇国民年金保険料の変更
令和5年4月〜令和6年3月の国民年金保険料は物価と賃金変動の動向を踏まえ、16,590円から70円下がり月額16,520円へと変更になります。
◇令和5年度 健康保険料率の改定
全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入されている事業所に対し、令和5年3月分(4月納付分)より保険料率が改定されます。関東圏の保険料率は引き上げとなり、その他の道県については引き下げとなりました。また、全国一律の介護保険料率については、今年度は引き上げとなりました。
他方、健康保険組合の健康保険料率および介護保険料率については、ともに据え置きとなる健康保険組合が多く見受けられます。詳しい保険料率は、現在加入されている健康保険組合によって異なりますので、ご不明な場合は、当事務所までお問い合わせください。
全国健康保険協会(協会けんぽ)保険料率
|
R4年度 |
|
R5年度 |
介護保険料率(共通) |
1.64% |
→ |
1.82% |
都道府県単位
保険料率 |
東京都 |
9.81% |
→ |
10.00% |
埼玉県 |
9.71% |
→ |
9.82% |
千葉県 |
9.76% |
→ |
9.87% |
神奈川県 |
9.85% |
→ |
10.02% |
◇令和5年度 雇用保険料の改定
新型コロナウィルス感染症の影響を受けた雇用保険財政が悪化した現状を踏まえ、雇用保険料率が令和5年4月から引き上げとなります。
雇用保険料率
事業の種類 |
|
現行 |
令和5年
4月〜 |
一般の事業 |
労働者負担 |
5.0/1000 |
6.0/1000 |
事業主負担 |
8.5/1000 |
9.5/1000 |
合計 |
13.5/1000 |
15.5/1000 |
◇出産育児一時金の支給額の引き上げ
健康保険の被保険者または被扶養者が出産した際に、出産に係る経済的負担を軽減するために支給される出産育児一時金について、近年の出産費用上昇傾向を踏まえ令和5年4月以降の出産に対し、給付額が42万円から50万円へ増額改定されることが決定となりました。