中央最低賃金審議会の答申を受け、7月29日、政府は2014年度の最低賃金を全国平均で780円とし、前年度実績より16円の引き上げを決めました。金融緩和、消費増税による物価上昇を考慮し、中小企業で働く人、非正規社員の所得を押し上げることが目的です。
地方審議会の決定を待つこととなりますが、東京の最低賃金は、888円になる見通し。パート・アルバイト従業員との労働契約に際しては、注意が必要です。
賃金引き上げについては、長時間労働抑制、過重労働対策という観点でも議論が進められており、中小企業に対しては適用を猶予されていた月60時間超の法定時間外労働に対する割増賃金率5割に関して、今後の動向が気になるところです。
ところで、皆様の事業所では、時間外労働・休日労働に関する労使協定、いわゆる36協定を締結していらっしゃるでしょうか。平成25年に行われた実態調査では、44.8%の事業所が「締結していない」と回答したそうです。
事業規模にかかわらず、従業員に所定時間を超えて労働をさせる場合は、労使協定の締結が必要です。そして、法廷労働時間を超える労働に対しては、割増賃金の支払いが義務づけられています。
少子高齢化が進む中、人材・労働力確保のために、また、労働争議に発展するリスク回避のために、適正な労務管理、法整備が避けては通れない課題となってきそうです。
当事務所では、労働契約書の作成、就業規則制定、労使協定の締結等、労務に関する問題についてもご提案をさせていただいております。事案の大小にかかわらず、担当までお気軽にご相談ください。