◇必ずチェック！１０月からの最低賃金

　

前号でもお伝えしましたとおり、10月1日から最低賃金が改定となりました。社員、アルバイト等の雇用形態にかかわらず、全ての労働者に適用されます。
時給単価に換算して、チェックしましょう。

○最低時給（単位：円）

	H27		H28		H27		H28
東　京	907	→	932	神奈川	905	→	930
埼　玉	820	→	845	千　葉	817	→	842

[最高]　東京：932円　　[最低]　宮崎、沖縄：714円
[全国平均]　　823円

　

◇１０月１日からの社会保険に関する改正事項

　

いよいよ短時間労働者に対する厚生年金保険・健康保険の適用拡大が始まりました。対象となるのは、特定適用事業所（＝厚生年金保険の被保険者数の合計が、１年で６カ月以上、500人を超えることが見込まれる事業所）のみですが、今回の適用拡大に伴い、いくつかの改正があります。こちらは、全ての適用事業所に関連する改正ですので、ご確認ください。

○厚生年金保険料の標準報酬月額の下限等級追加
　これまでは98,000円が最下限の等級でしたが、10月1日より新たに１等級、88,000円が追加されます。

標準報酬		報酬月額
等級	月額	円以上		円未満
1	88,000		〜	93,000
2	98,000	93,000	〜	101,000
3	104,000	101,000	〜	107,000
4	110,000	107,000	〜	114,000
31	620,000	605,000	〜

○被保険者資格の基準変更
被保険者資格の基準（４分の３基準）が明確になりました。

改正前	改正後
(a)１日または１週の所定労働時間および１カ月の所定労働日数がおおむね４分の３以上	(a)１週の所定労働時間および１カ月の所定労働日数が４分の３以上
(b)被保険者として取り扱うことが適当な場合は、総合的に勘案し、被保険者の適用を判断すること	(b)廃止

○健康保険等の被扶養認定要件の変更
　被扶養認定における兄姉の同居要件が廃止となりました。収入要件については変更ありません。

被扶養対象者	同居要件
�@被保険者の直系尊属、配偶者（内縁も含む）、子、孫および兄姉弟妹	無
�Aア. 被保険者の三親等以内の親族で、�@以外のもの イ. 内縁関係にある配偶者の父母および子 ウ. イの配偶者の死亡後におけるその父母および子	有

　

◇平成２９年１月１日に施行される労働関係諸法の改正点

　

「ワーク・ライフ・バランス（仕事と生活の調和）」推進を目的として、平成29年1月1日、育児・介護休業法、男女雇用機会均等法が改正されます。ポイントを正しく理解し、就業規則への反映を検討してゆきましょう。

�@介護休業の分割取得が可能に
介護を必要とする家族（対象家族）１人につき、通算93日まで、原則１回に限り取得可能	⇒	対象家族１人につき通算93日まで、3回を上限として分割して取得可能
�A介護休暇の取得単位の柔軟化
介護休暇について１日単位での取得	⇒	半日（所定労働時間の２分の１）単位での取得が可能
�B介護休業のための所定労働時間の短縮措置
介護のための所定労働時間の短縮措置（選択的措置義務）について、介護休業と通算して93日の範囲内で取得可能	⇒	介護休業とは別に、利用開始から3年の間で２回以上の利用が可能
�C介護のための所定外労働の制限（残業の免除）
介護のための所定外労働の制限（残業の免除）について、対象家族１人につき、介護終了まで利用できる所定外労働の制限を新設
�D有期契約労働者の育児休業の取得要件の緩和
�E子の看護休暇の取得単位の柔軟化
この看護休暇について１日単位での取得	⇒	半日（所定労働時間の２分の１）単位での取得が可能
�F育児休業等の対象となる子の範囲
育児休業等が取得できる対象は、法律上の親子関係がある実施・養子	⇒	特別養子縁組の看護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子供も新たに対象
�Gマタハラ・パタハラなどの防止措置の新設

ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。