◇令和5年度の最低賃金の引き上げ
 10月から最低賃金が改定となります。
 今年度の改定は、九州、東北、中国地方で大幅な引き上げが目立ち、24県で最低賃金審議会が示した目安額を超えたことで全国平均は1,004円となり、国が想定した1,002円を上回りました。東京都につきましては、引き上げ後の金額が全国最高額の1,113円となりました。
 最低賃金に関しては社員、パート、アルバイト等の名称、雇用形態にかかわらず、全ての労働者に適用されますので、必ず確認をし、最低賃金を上回るようにしましょう。月給者、日給者の給与については所定労働時間で給与額を割り、時給単価に換算して確認をしてください。

○最低賃金(時給)(単位:円)

R4

 

R5

 

R4

 

R5

東 京

1,072

1,113

神奈川

1,071

1,112

埼 玉

987

1,028

千 葉

984

1,026

[最高]  1,113円(↑41円)[最低] 893円(↑39円)
[全国平均] 1,004円(↑43円)



◇前産後期間における国民健康保険料・保険税の免除(減額)措置
 産前産後期間における国民健康保険料(税)の免除(減額)措置が、令和6 年1 月1 日より施行されます。当該措置のポイントは以下になります。
@世帯に出産する予定の国民健康保険の被保険者又は出産した被保険者(以下「出産被保険者」という。)がある場合において、当該世帯の世帯主に対して賦課する国民健康保険料の所得割額及び被保険者均等割額が減額されることとなっております。
A 減額する額は、出産被保険者の出産予定日(厚生労働省令で定める場合は、出産の日)の属する月(以下「出産予定月」という。)の前月(多胎妊娠の場合には、3 月前)から出産予定月の翌々月までの期間に係る国民健康
保険料の所得割額及び被保険者均等割額となり、保険料の免除にはご自身で市区町村に申請が必要となります。


◇労働条件明示に関する改正
 労働基準法では、労働契約の締結時と更新時に、労働者に対して、労働条件の明示が義務付けられています。この労働条件明示ルールが、令和6 年4 月から改正されます。主な変更点は以下となります。

@ 就業場所・業務の変更範囲全ての労働契約の締結と有期労働契約の更新のタイミングごとに、「雇入れ直後」の就業場所・業務内容に加え、就業場所・業務内容の「変更の範囲」についても明示が必要となります。この「変更の範囲」とは、将来の配置転換などによって変わり得る就業場所・業務内容を指します。

A 有期労働契約の契約更新上限の明示有期労働契約の「締結と契約更新のタイミングごと」に更新上限(有期労働契約の通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容の明示が必要となります。また、更新上限を新たに設ける又は短縮する場合は、更新上限を新設・短縮する前のタイミングであらかじめ当該理由を有期契約労働者に説明することが必要になります。

B 無期転換の申込機会と無期転換後の労働条件の明示有期労働契約が反復更新され契約期間が通算5 年を超えた場合は、使用者が有期契約労働者に対して、無期転換の申込ができる旨を説明する必要があります。また、無期転換申込機会が発生する更新のタイミングごとに、無期転換を申し込むことができる旨の明示と無期転換をした後の労働条件の明示が必要となります。
 この明示する無期転換後の労働条件を決定するにあたっては他の通常の労働者である正社員や無期雇用フルタイム労働者とのバランスを考慮した事項(賃金、業務内容、責任の程度、異動の有無・範囲など)について、有期契約労働者に説明するよう努めなければならない事となります。