◇最低賃金の引き上げ
本年10月から最低賃金が改定となります。
政府が示した最低賃金の引き上げ目安額が31円とされ、すべての都道府県で目安額通りの引き上げが行われます。
東京都につきましては、引き上げ後の金額が全国最高額の1,072円となりました。
最低賃金に関しては社員、パート、アルバイト等の雇用形態にかかわらず、全ての労働者に適用されますので必ず確認をし、最低賃金を上回るようにしましょう。また、月給者、日給者の給与については所定労働時間で給与額を割り、時給単価に換算して必ずチェックしましょう。

○最低賃金(時給)(単位:円)

R3

 

R4

 

R3

 

R4

東 京

1,041

1,072

神奈川

1,040

1,071

埼 玉

956

987

千 葉

953

984

[最高]  1,072円(↑31円)[最低] 853円(↑33円)
[全国平均] 961円(↑31円)



◇育児介護休業法の改正
本年10月1日から、主に男性を対象として「出生時育児休業(産後パパ育休)」が新設され、申出により子の出生後8週間以内に4週間まで当該休業を取得することが可能となりました。また、従前からある育児休業制度は原則として分割して取得することはできないとされていましたが、今回の改正で分割して2回まで取得することが可能となりました。
出生時育児休業に関しましても、2回まで分割して取得することが可能なため、夫婦において育児休業を交互に取得して、育児を行うことが可能になります。





◇中小企業における月60時間超の時間外労働に対する
割増賃金率の引き上げ
2019年4月施行の働き方改革関連法により,月60時間以上の時間外労働があった場合の割増賃金率の規定(月60時間以上の時間外労働があった場合,月60時間を超えた時間について、50%以上の割増率で計算した賃金を支払うという規定)が適用されましたが、中小企業においては当面の間は適用が猶予される取り扱いとなっておりました。
しかし、2023年4月1日から,中小企業についても,当該規定が適用されることになりました。
中小企業を経営される皆さんは、労務管理を適切に行うとともに、法律に従った割増賃金の支払いをされるようご留意ください。



◇雇用保険料率の改定
雇用保険料率が改定となり、以下に示すようにすべての業種において4月から事業主負担が1000分の0.5増加し、10月からは事業主負担、労働者負担ともに1000分の2増加することとなりました。