◇平成30年度健康保険料率
全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入されている事業所に対し、3月分(4月納付分)から保険料率が改定されます。
今回の改正としては各都道府県ごとに健康保険自体の保険料率は減額又は据え置きとなっている都道府県が多く見受けられ、40〜64歳の方が対象となる介護保険料率は全国一律減額となります。
他方、健康保険組合は介護保険料率を協会けんぽの料率に近づける目的で介護保険料を増額している健康保険組合が多く見受けられました。詳しい保険料率等は、ご加入されている健康保険組合によって異なります。ご不明な場合は、当事務所までお問い合わせください。
全国健康保険協会(協会けんぽ)保険料率
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29年 |
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30年 |
介護保険料率(共通) |
1.65% |
→ |
1.57% |
都道府県単位
保険料率 |
東京都 |
9.91% |
→ |
9.90% |
埼玉県 |
9.87% |
→ |
9.85% |
千葉県 |
9.89% |
→ |
9.89% |
神奈川県 |
9.93% |
→ |
9.93% |
◇平成30年度雇用保険料率、労災保険料率
平成30年4月1日から平成31年3月31日までの雇用保険料は現在の料率を据え置く事が決まり、変更はありません。また、労災保険料率ですが、こちらは過去3年間の災害率等を考慮して見直されますので、今年度は改正年度にあたり見直しが入っております。ガラス・セメント製造業では増率改定ですが、建設業、小売業、飲食店等では減率改定となっており、各業種によって料率の変更改定が行われています。今回の労働保険年度更新の保険料金額計算の際には変更した率での計算となりますので、ご注意ください。
◇国民年金保険料の減額
平成30年4月〜平成31年3月の国民年金保険料は名目賃金の変動を踏まえ、昨年度の16,490円から150円下がり、月額16,340円となります。また年金保険料の各種前納制度を利用すると保険料の負担は更に軽くなります。
◇労働者を雇う上でのルールづくり
今年度の人事・労務通信では、昨今の働き方改革や労働関係に関する問題が急激な増加傾向にあることを踏まえ、人を雇用するうえで会社として行わなければならないルールづくり等を随時掲載していきます。
■雇用契約書
雇用契約も民法に定められている2人以上の意思表示の合意によって成立する契約の一つです。また、特別法として労働基準法、労働契約法では労働者が使用者の指揮命令下で労務を提供し、使用者がこれに対し賃金を支払う事を約束する契約とし、労働契約において使用者を優位者であるとして、使用者側に対し強制的な基準や規制を設けて労働者を保護している内容となっております。
雇用契約自体は口頭でも成立しますが、労働基準法では労働者保護の観点から、どのような条件で働くかの労働条件は必ず書面にて通知することを義務づけています。
また他の契約と同様、トラブル発生の防止や証拠書類とするため、義務である上記の労働条件の通知に合わせ、お互い契約書を交わす事が重要です。
雇用契約書の締結にあたり必ず通知して明示が必要となる絶対的明示事項は下記内容となります。
1.労働契約の期間
2.就業の場所及び従事すべき業務
3.始業及び就業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇
4.賃金の決定、計算、支払の方法、賃金の締切及び支払の時期並びに昇給
5.退職(解雇の事由含む)
上記5事項が労働者を雇われた際に必ず書面による通知が必要となり、内容としては最低限労働者側にとっての知っておきたい条件となっています。
何かトラブルが発生した場合、また労基署の調査等が入った場合などは雇用契約書の有無を聞かれます。会社で、そうなった場合の防衛策として、この条件の下で労働者を雇った証拠書類として雇用契約書を交わし保管することが重要となります。