■愛情の正体
素材の条件が全く同じだとして、スーパーで買った肉じゃがと、自分で作った肉じゃがとでは、どちらが健康的だと思いますか?
答えは自分で作った方が圧倒的に健康的です。
それは、手作りは食べ物に「常在菌」が付着するからです。ご存知の通り、私達の体には数億単位の菌が付着しています。目に見えない小さな菌がいっぱいいて、体をあらゆる外敵から守ってくれています。
胃腸の中では腸内菌や善玉菌と呼ばれますが、これらは外皮にもビッシリ付いており、総称して常在菌と呼ばれます。
手作りをすると、手に付着している常在菌が料理の中に入ります。そして、手の常在菌は腸内菌と性質がほぼ同じで、消化吸収を助けてくれたり、ビタミンを出してくれたり、エンザイムを作ってくれたり、ウイルスやバクテリアを退治したり、ポジティブな仕事をたくさんしてくれます。
しかし、スーパーで作られるような惣菜は多くが機械で作られます。手を介さないので当然、常在菌は入りません。手作りが健康に良いというのは、常在菌が入るからなのです。
しかも、手作りは味も良くなります。常在菌はうまさの原料であるグルタミン酸ソーダを生じさせるため美味しさが増すのです。機械で作られたコンビニのオニギリより、お母さんが作ってくれたオニギリの方が美味しく感じるのはそのためです。
よく手作り料理は「愛情がこもっているから美味しい」と言われる事がありますが、愛情の正体は「常在菌」なのです。お米を研ぎ、野菜を切り、肉を手で揉み、果物の皮を剥く、そういう些細なところに意味があり、長期的に大きな影響をもたらします。なので、調理用の手袋をしては全く意味がなくなってしまいます。
ちなみに、人間が一番最初に口にする常在菌は母親の乳首から貰います。初乳を飲む時、乳首から常在菌を受け、それが赤ちゃんの中で善玉菌となり、生涯体を守ってくれるパートナーとなるんです。