■ローマレポート
今年のM&A国際会議(日本人だけで海外に行き、そこで会議や研修を行う)は、イタリアのローマで開催されました。3泊5日(3/20〜3/24)の強行スケジュールの中、今年も実りある研修となりました。
参加者360名中、税理士が240名。
今回のテーマは「会計事務所に開けるM&A業務」です。日本の中小企業の3分の2がもはや後継者不在の中、事業承継は「一生の決断」ではなくなりました。
我々会計人が、社会のインフラとなり、独自のサービスを開始する時代となりました。
さて、気になる欧州経済情勢ですが、今回は三菱東京UFJ銀行経済調査室(ロンドン駐在)高山真さん並びに同行ミラノ支店の支店長である狩野麻里さんに話を伺うことができました。
〈欧州債務問について〉
2012年夏場に危機水準とされる7%を上回ったスペインの長期金利は、足元3%台半ばまで低下し、イタリアも同水準に。ポルトガルも、足元は5%前後で安定。また、ギリシャは足元6%台とピークの33%台(昨年3月)から大幅に下落。
さてイタリアの財政状態ですが、債務残高を見ると、公的債務はGDP比132.6%と欧州の中でも高い水準にあるが、家計債務はドイツ、フランスを下回る水準にあり、イタリア全体としての財政状態は政府債務単独で評価するほどに悪くないそうです。
イタリアのプライマリーバランスは黒字基調を維持。また、財政赤字も緊縮財政によって2011年比で赤字幅は縮小傾向見込み。公的債務削減は継続課題だそうです。