先日、肩が触れない程度に混雑した通勤電車内で、立っているのがやっとなのではないかと思われる男性がいました。その様子に気づく人はなく、ドア脇に立っていた人が下車して空いた場所になんとか自力でたどり着き、もたれられるスペースを確保していました。たどり着いたところで気づき、見るとその人のカバンには、赤いタグが付けられていました。
この赤いタグは「ヘルプマーク」といい、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、援助や配慮を必要としていることが外見からは分からない方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで援助を得やすくなるよう、東京都が作成したマークです。対象者からの申し出により、都営地下鉄各駅の駅務室、都営バス各営業所、東京都心身障害者福祉センターなどで配布しています。
ヘルプマークの配布や優先席へのステッカー標示等を、昨年10月から都営地下鉄大江戸線で開始し、先月から全ての都営地下鉄、都営バス、都電荒川線、日暮里・舎人ライナーへと拡大して実施しています。
マタニティマークをつけている人はよく見かけるようになり、それなりに認知されています。ヘルプマークはまだできたばかりということもあり、これから広まっていくのだろうと思います。
ヘルプマークを身に着けた方を見かけた場合は、電車内で席をゆずる、困っているようであれば声をかける等、思いやりのある行動をとりたいものです。